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vol.5「盛大な結婚式が新郎新婦のストレスになる」

 仕事で有名人に「離婚原因は何でしたか」と取材をする。女性読者にとって離婚は、人生のプレッシャーとしてのしかかる大きな関心事だ。ある有名人のA子さん。お似合いのカップルだったはずが、わずか3年で離婚した。楽しかったのはいつごろかと聞くと、「恋愛時代から婚約まで」と意外な答え。ならば、すれ違い始めたのはと聞けば「結婚式の段取りを決め始めたころかなあ」と……。なんだか悲しい。

 彼女、婚約から結婚式(披露宴)まで10カ月。まあそういう場合もある。新郎新婦で会社のどの役付きを呼ぶのか、友人関係の招待客の人数合わせ、親戚の人数合わせ、さらに席順、スピーチの人数、順番など。ほとほと精神的に疲れているときに、お互いの意見が合わずに衝突する。

「アナタって、そういう人だったんだ」と相手の意外な面も。

「仕方がないよ、やらないと」と一方が言うと、「自分たちのための式なのに、なんで苦労するんだ、やりたくない」と投げ出したくなる場合も。

 どうにか式を終えると、もうぐったり。新婚気分はなくなったというわけだ。そういえばバブル時代に言われた「成田離婚」も、じつはこんなプレッシャーの後遺症だったのかもしれない。

 ある若手医師と女医の結婚式。大学病院の医学部長を仲人にしたが、やはりすでに式をやるころには、疲労困憊でケンカ状態。「いまさら取りやめるわけにはいかない。仕方がない、挙式披露宴はやるが、その後離婚すると思う」と当人が予測したように、まもなく離婚。

 離婚予定なのに披露宴に招待される客はだまされたことになるのだが、ドタキャンして式の段取りを壊して、会社や職場の上司たちに恥をかかせる方がよろしくないと、考えるわけだ。つまり一度企画した披露宴を中止できずに、ずるずる時間だけが経過すると、こういう醜態をさらさざるを得ない。しかし入籍はしないから、戸籍に傷がつかないという、裏技も使った。

 なるほどその若手医師は大学医局で出世することができなくなって、関連病院に飛ばされた。理由は、医学部長の顔に泥を塗ったからだとか。離婚予定で結婚式だけはやったものの、結果は同じことになった。案外世間にはこんな事例が多いのだ。

 盛大な冠婚葬祭をやりたがるのは、昭和の負の遺産なのか。そういえば「小さなお葬式」もブームだ。有名人だったのに「密葬」も多くなった。おカネだけの問題ではないらしい。結婚式だって、盛大にやりたいのは、自分たちよりもむしろ親たちなのかも。少子化ならなおさらか。日本人特有の盛大な冠婚葬祭も、明らかに曲がり角に来ている。(sp)

週刊誌グループ
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男性週刊誌、女性週刊誌、写真週刊誌など大手出版社編集部の契約記者として、第一線で取材執筆活動をおこなっているライター集団。政治、事件、皇室、芸能、実用、人物インタビューなど守備範囲は多岐にわたる。早稲田編集企画室の中核。