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vol.29「4年に一度の恒例行事。五輪女子マラソン候補の福士加代子と陸連のゴタゴタ大騒動」

 8月のリオ五輪へ女子マラソン出場選手は3人。伊藤舞は内定済みで残るは2人。マラソン第一人者の福士加代子が1月の大阪国際で2時間22分台の好記録を出した。派遣設定タイムも突破した。「これでリオだべ~」の津軽弁で喜んだが、即内定はしない。どこに文句があるのだろう。

 そのために残りの選考レース「3月の名古屋ウィメンズも走る」と福士が宣言したものだから、陸連が慌てた。「それじゃ体を壊すから、走らないでくれ」。騒動はいきなり収拾して、彼女が出場を撤回。「果報は寝て待つことにします」。あの騒ぎは一体何なのだ。

「男子でもそうですが、五輪マラソン選考は、4レースから3人とかルールが複雑。かつては日本人2位の松野明美がタイムも着順も勝ったのに、世界戦4位の有森に負けた。これは世界選手権という権威に名前負けしたもの(’92年のバルセロナ五輪選考)。

 その4年後のアトランタ五輪選考では、大阪国際で2位の2時間26分の鈴木博美が、北海道マラソン優勝の有森(2時間29分)に負けた。タイムより優勝を評価したわけですね。ところがつい昨年の今ごろ、北京の世界陸上選考では、横浜国際で優勝した田中智美は、他のレースの2位や4位に敗れた。優勝してもタイムで劣ると。

 さらにいえば、リオ内定の伊藤舞とは、昨年の世界陸上で日本人トップ(総合7位)という理由だけ。過去はメダル獲得者だけが内定だったのに、ハードルを下げたのです。それなら4年前のロンドン五輪選考では、前年の世界陸上で5位になった赤羽有紀子は内定のはずなのに、彼女は落選しています」(スポーツ記者)

 どこがまずいのか。実は何をやってもゴタゴタは必ず起こる。陸連は記録で5,6人残して、後は会議(面接)で決めたいのだ。記録だけが優先するはずのスポーツでも、出世コースを上手に渡らないと失脚するということだ。アマチュアスポーツのはずなのに、実態はこんなもの。ああなんだか、草スポーツ程度で満足するのが一番幸せかとガッカリする。もしくは酒の肴にゴタゴタで大盛り上がり。最後に陸連幹部が一言「根回しに失敗しただけですよ」。(sp)

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