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パソコンの前から離れられないネット族のニュースとはこんなもの

 最近のネットニュースを見ていて「ヒドイなあ」と思うのは、まとめ記事というやつの成れの果てというのか、テレビ番組の内容がオンエア後にニュースとしてネットで公開されることだ。

 生放送の番組内で起きた事件や発言なら、まだリアルタイムに起きている事実だからニュースと言えなくはないのだが、収録番組となるとすでに1週間前とか半月前とかに起きていた、もしくは発言していた内容がオンエアで明らかになっただけであって、もう過去の事なのだ。

 番組スタッフならばリアルタイムでその事実を知っていたわけで、収録した時点で内容が漏れて報じられたならスクープといえなくもないが、「番組内でこう言ってました」という内容をオンエア後にあたかも取材して来たみたいにニュース記事にするのは節操がない。

 ネットマスコミ各社がテレビを見ていて番組の速報みたいに「こんなこと言ってたよ」と横並びの情報を垂れ流す。そんなもの番組を見た視聴者が見なかった人に「知ってる? こう言ってたよ」と教えるのと同じであってマスコミがやることじゃない。そんなことまでマスコミがニュースとして扱うなら、もはや個人の情報交換など無用になってしまうではないか。

「ねえねえ、昨夜のあれ見た? 見てないんだ? 実はね」とはならず、「ねえ、あれ見た?」「うん、ヤフーニュースで見た」みたいな会話で完結してしまう。つまり、見逃したテレビ番組をニュースで内容を知り、YouTubeで実際の画像を確認する。もはや友だちと交わされる朝の情報交換が必要なくなる。

 こんな世の中になって、面白いのだろうか……。

樋口琢生
About 樋口琢生 (29 Articles)
東京生まれ。1989年より早稲田編集企画室ルポ班に在籍。週刊誌記者、ガイドブック編集、単行本制作などに携わる。登山、キャンプ、カヌー、自転車などアウトドア全般が趣味。