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“誤解、誤訳、誤報” 御免!「中国ニュース珍カシャ通信」:麻薬入り鍋で商売繁盛! 食べた客は全員ヤク中に!?

 12月初め、上海市内で警察が麻薬関連の捜査を行なっていたところ、一人の女性の尿からモルヒネの陽性反応が出た。麻薬摂取の疑いが持たれたが、この女性は麻薬などこれまで吸ったことがないと主張。事件は意外な方向へと進んでいった。中国のニュースサイト「澎湃新聞」が12月24日付けの記事で伝えている。

 警察が女性から話を聞くと、尿検査の当日に外で麻辣タン(タンは湯の上に火)を食べていたことが分かった。麻辣(マーラー)タンとは、野菜や肉などの具材を辛いスープで軽く煮る一種の鍋料理で、小腹が空いたときや夜食によく食べられている。意外に若い女性たちにも人気がある。

 女性の証言をもとに警察が捜査を進め、住宅地にある麻辣タンの店「川記麻辣タン」に行き当たった。家族経営のこの店は2011年にオープンし、今に至っていたが、このところ急に客の数が増えていたという。しかも、その多くの客がリピーターとなっていた。腕のいい料理人が入ったのか? それとも“味付け”を変えたのか?

客に麻薬入りの料理を出していた「川記麻辣タン」の店舗(中国のニュースサイト「澎湃新聞」より 以下同)


 警察がこの店の麻辣タンのスープと調味料を現場で化学検査したところ、モルヒネの陽性反応が出た。アヘンやヘロインの原料ともなるケシ殻を材料の中に入れている可能性があった。警察が店主らを取り調べたところ、意外な事実が判明した。

店内で検査を進める警察


 店主の両親が店の手伝いをするために田舎から出てきていたのだが、10月末ごろ、客の入りが少なくなっていることに気づき、両親は心配になった。そこで人に相談したところ、スープの中にケシ殻を入れると香りがよくなると言われ、田舎に帰って十数粒のケシ殻を持って帰ってきた。

 息子が麻辣タンのスープを作っていたとき、両親がスープにケシ殻を入れないかと持ちかけたが、息子に拒絶されてしまった。ある晩、母親は首が痛くて眠れずにいたところ、息子がぐっすり寝入っていることに気づいた。それを見た母親が、こっそりと麻辣タンのスープの中にケシ殻を入れていたのだった。

問題のケシ殻入りスープ


 実は中国では、火鍋などにケシ殻を入れてリピーター客を増やす事件が各地で断続的に起こっている。ケシ殻入りの麻辣タンを食べた客たちは、知らず知らずのうちに軽い麻薬中毒となり、何度も店に通うようになるのである。

 麻薬入り料理を客に出すなど言語道断だが、どんな“効果”があるのか、ちょっと食べてみたい気もする。
(文=佐久間賢三)

佐久間賢三
About 佐久間賢三 (30 Articles)
週刊誌や月刊誌の仕事をした後、中国で日本語フリーペーパーの編集者に。上海、広州、深圳、成都を転々とし、9年5か月にもおよぶ中国生活を経て帰国。早稲田企画に出戻る。以来、貧乏ヒマなしの自転車操業的ライター生活を送っている。