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vol.32「4年後の東京五輪を予測しても鬼が笑わない」

「来年のことを言うと、鬼が笑う」という。明日のことも分からないのに、遠い将来(来年)の話など意味がないということだ。ところが今は、4年後の話に花が咲く。過去よりも将来計画が綿密になったということか、あるいは笑い出すのを我慢して付き合っているのか。多分後者だ。
 日本選手はリオで12個の金メダル(世界6位)を獲得したが、議員の橋本聖子は、東京五輪では金メダル倍増計画で、メダル合計世界3位を狙う(現状アメリカ、英国、中国の順)と言った。日本人の「スポーツ好きを増進させる」というのはおよそ詭弁で、70年前の悪役ドイツのように、五輪を「国威発揚」に使っていると識者は指摘する。五輪憲章にあるのだ。「国威発揚にしてはならない」。無視している。
 リオ五輪のあとに、選手を総理官邸に呼びつけて慰労会を開催した。出席資格は「メダリストに限る」。そうなのだ、かつて追放された女子水泳選手がいっていたように「日本人はメダルのキチガイ」。メダルを取らないと意味がない。メダルが取れないなら五輪に出るな。けっしてスポーツ好きじゃない。むしろ赤鬼青鬼の鬼畜外人から、メダルを取れ。それを言い替えて何事に付け「結果を出せ」という。結果が出ないものは意味がないという。子供のスポーツ推進の基本精神がそれだけか。嘆かわしい。
 それが五輪かどうかなどはどうでもいい。つまりノーベル賞でもでもいいし、中高生の数学五輪でもいい。テニスの錦織でも、フィギュアスケートの某でもいいからメダル取れ。それはかつての東ドイツがそうであり、20年前にドーピング三昧した中国も、そして今の北朝鮮も同様。ニッポンもそれにあやかりたい。東京五輪が石原慎太郎の思い付きで始まり、鬼も笑う愚策だといわれる、その一つの例である。(sp)

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