vol.20「北陸新幹線の金沢まで開通で、それ以遠の京都~大阪までの不安」
金沢まで開通した北陸新幹線は、7年後くらいまでに福井の敦賀まで延長されるが、その先はどのように京都~大阪までつなげるのか未定らしい。何故だろう。計画が始まった40年も50年も前に、このような公共事業に反対したのは、当時の京都府の革新政権だったというのだ。蜷川虎三知事。1950年から1978年まで7期28年間、京都府知事の職にあった。社会党のバリバリの革新知事である。「京都共産主義王国」とも言われた。
彼は高校進学への受験戦争をなくした。「15歳の春を泣かせない」と、府立高校へは全入制の方針を取る。
福祉行政を充実させて、高齢者、失業者に手厚い保護を行った。
そして公共事業にも開発にも反対して、新幹線計画に対応しなかった。
結果、府立高校の学力低下があり、福祉充実の赤字財政に陥り、今となっては金沢で行き止まりの、「盲腸新幹線」と言われるものしか、完成しなくなった。
50年も前は、新幹線の公共事業であっても公害の原因とされた。日本は高度成長に進むべきではなく、農業を中心にした落ち着いた国づくりを目指すべきだと、革新勢力は考えた。
今の新幹線ブームを思うと、京都の政策は間違っていたのか、どうか。今の京都府政からみれば、蜷川時代に「京都は30年遅れた」と言われる。新幹線開通を契機に、過去の政治を顧みる。(sp)