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vol.5「野球賭博巨人・原監督退任で“新陳代謝”の違和感」

 10月19日、プロ野球の読売ジャイアンツは原辰徳監督(57)の今季限りでの退任を発表した。10年続いた第2次政権では2度のリーグ3連覇、2度の日本一。第1次政権からの12年の在任中、合計7度のリーグ制覇、3度の日本一をなしとげたが、4連覇をかけた今期はリーグ優勝を逃し、クライマックスシリーズでも敗退を喫した。その結果を受け、2年契約の最終年である今期限りでの勇退を決意したのだ。「ここ3年ほどチーム力は落ちてきている。新しいリーダー、監督に託す方が正しい選択だと思い、こういう形になった」とその理由を「新陳代謝」と強調した。

 しかし、この退任劇は先般発覚した巨人の福田聡志投手(32)と笠原将生投手(24)の野球賭博関与問題の影響を否定できない。事件発覚後に球団事務所には「クライマックスシリーズは辞退すべき」という抗議の電話が殺到したという。選手を監督する立場の原監督に責任が問われても不思議は無い。社会通念上はむしろそれが当然だ。

「ある関係者は10年ほど前の記憶と前置きした上で《東京ドームのロッカールームの壁に野球賭博の試合結果を一覧にした表が無造作に貼られていた。そこは監督やコーチのロッカールームへ行くのにも通る場所でチーム幹部も知らないはずは無い》と証言しています」(記者)。

 その記憶が正しければ、巨人のチーム内では野球賭博は公然と常態化し、監督も見て見ぬ振りをしていた可能性もあるのだ。原監督といえば、女性スキャンダル発覚をもみ消すため、脅迫に屈して口止め料1億円を払ったことが週刊誌で暴露された過去がある。チームの不祥事だって告発するかどうか疑問である。

 今回の野球賭博問題は、徹底的に調査され解明されるべき重大な問題である。徹底的な調査がなされれば球界を揺るがすほど広範囲に広がる可能性もある。「現役選手が直接関与していなくても、チームの内部情報を容易に収集できる球団OBはいくらでもいるから撲滅するのは難しい」(記者)。しかし、その闇が解明出来なければ多くのファンが失望し、プロ野球人気がますます低迷していくことは疑いようもない。

 もし高橋由伸が新監督になって「巨人軍は新しく生まれかわりました」なんて言っても球団の体質というものはそう簡単にはかわらないものだ。

樋口琢生
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東京生まれ。1989年より早稲田編集企画室ルポ班に在籍。週刊誌記者、ガイドブック編集、単行本制作などに携わる。登山、キャンプ、カヌー、自転車などアウトドア全般が趣味。