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移民都市・深圳をゆく その9「中国第4の大都市なのにたった一つしかない総合大学──深圳大学」

 中国各地の大きな都市には、それぞれいくつかの大学がある。ネットで調べたところ、首都の北京では北京大学や清華大学などの有名校も含めて、“大学”という名称がつく学校は全部で36校もある(これ以外に“大学”という名称はついていないが大学と同等の学校もある)。また上海では21校、広州では13校、それ以外の中規模の都市でも、たとえば四川省の省都・成都市には12校もある。

 では、北京、上海、広州に次ぐ中国第4の都市・深圳はというと、たったの2校。しかも1校は理系の大学なので、総合大学は深圳大学の1校しかない。他に北京大学や清華大学などの分校があることにはあるが、あくまでも分校で、小規模なものである。

美しいキャンパスでは上位に入るが、学力の面では……

とはいえ、深圳は市ができてから37年の歴史しかないだけに、大学の数は少ないのも無理はない。深圳で初めての大学である深圳大学が創立したのは市ができてから3年後の1983年のことである。

深圳大学の正門。誰でも自由に入れる

 キャンパスの広さは1.34平方km(2月27日に完成したばかりのキャンパスを含めると2.72平方km)。東京ディズニーランド3個分弱の広さがあり、キャンパス内は南国らしい緑に覆われている。中国には「もっとも美しい大学キャンパスTop10」なるランキングがいくつかあり、1位と2位は武漢大学と厦門(アモイ)大学が常に争い、それに次いで北京大学、広州の中山大学の順となっている。

 それ以降の順位は選ぶ人によって変わってくるのだが、深圳大学はたいてい10位以内に入っており、最近は第5位に選ばれることも多くなっている。以下の写真を見てもらうと分かるが、本当に緑豊かなキャンパスである。

図書館の前は広場になっており、勉強熱心な学生はここで英語の音読をしていたりする

キャンパス内を結ぶ道路。次の建物が現れるまで1km近く歩くことも

キャンパス内にある池。小さいながらも名称は「上文山湖」

 ちなみに、大学の学力レベルであるが、つい先日の2月27日に中国で発表された「2017年中国優秀大学ランキング」によると、美しいキャンパスの上位4位に入っている大学のうち、武漢大学は13位、厦門大学は21位、北京大学は2位、中山大学は9位と、どの大学も上位に入っている(1位は清華大学)。美しいキャンパスには優秀な学生が集まるもののようである。

 ところが、美しいキャンパスでは5位に入っている深圳大学は、優秀大学ランキングではなんと第89位。残念ながら学力レベルではまあ並の大学である。とはいえ、キャンパス内に大学生たちが住んでいるため(中国の大学では基本的に学生たちはキャンパス内の寮に住む)、いつでも活気があり、歩いていると自分が若かったころを思い出して心がウキウキしてくる場所である。

バスケのコートが何面もある屋根付きの屋外運動場。広いキャンパスだからできること

キャンパス内はミニバスが走り、歩くのが面倒な学生たちを運ぶ

 筆者は深圳に住み始めたころ、中国語をまったく話すことができなかったため、1年半もの間(の大学学期中)、深圳大学の外国人向け中国語教室に毎日通っていた。なので、このキャンパスは深圳の中で最も思い出深い場所の一つである。

佐久間賢三
About 佐久間賢三 (34 Articles)
週刊誌や月刊誌の仕事をした後、中国で日本語フリーペーパーの編集者に。上海、広州、深圳、成都を転々とし、9年5か月にもおよぶ中国生活を経て帰国。早稲田企画に出戻る。以来、貧乏ヒマなしの自転車操業的ライター生活を送っている。