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vol.9「若者の実態は、選挙は棄権しても、保守主義」

 私たちの時代の学校教育の歴史授業とは、明治維新と少し先の伊藤博文、原敬までだった。今でもきっと同じだ。テストに出るのもそれ以前の日本史だけ。近代史(明治以降)ですらあやふやで、現代史(昭和史)は皆無。生徒は「きっと必要ないからだ」と思う。教える教師や文科省にとっては「昭和史の歴史判断は難しい」という、優柔不断の結果に過ぎない。

 本来人間なんて、特に農耕民族は保守主義で、公教育を支持する。学校教育がこの程度で、政治経済は社会科の末端科目。だから20歳からの選挙権の意味も分からないし、政党間の意思の違いなど、知るすべもない。それは政治に無関心で、投票しないという悪循環になる。

 たぶん既成政党にとっては、これは都合のいいことだ。人口少数派の20歳代が30%程度の投票率で、その3倍人口の団塊世代を含む50歳以降が60%の投票率になる。今回の衆院選の投票率は52%だった。だからやはり、自民党が大勝したということだろう。

 20数年前のバブルの頃に、匿名で日米文化の違いの書籍を執筆したが、例えば、

〈日本では「朝定食ください」といえば、それで朝食の注文が出来るのに、アメリカでは「オレンジジュースで、たまごは3分ゆでた半熟で、パンはトーストに」と言わないと、当り前の朝食すら出てこない、面倒くさい文化だ〉

と書いたら、大いに絶賛された。

 その翌日に、

〈でも生たまごが食べられないから、「目玉焼きにしてください」といっても、日本の朝定食は、そんな面倒くさい客を相手にしてくれない。大勢と違うと、のけ者にされるのだ〉

と書いたら、非難された。「キミも普通の人になれ」といわれて。

 無意識の中では愛国で保守なのだ。付け加えて、「現代史に無関心」な教育を受ければこそ、選挙に投票しましょうといわれても、何のことだがさっぱりわからない。

 衆院選挙は自民の大勝で終わったが、政治に無関心のツケで、愛国保守主義にスライドしていることだけは確かだ。(sp)

週刊誌グループ
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男性週刊誌、女性週刊誌、写真週刊誌など大手出版社編集部の契約記者として、第一線で取材執筆活動をおこなっているライター集団。政治、事件、皇室、芸能、実用、人物インタビューなど守備範囲は多岐にわたる。早稲田編集企画室の中核。