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vol.17「出産子育ては、妻の計画(予約)に、夫が応じるようにしましょうという風潮」

「新婚まもないんだから、自然に授かりますよねえ」
と質問したら、

「いや、それはダメでしょう」
と夫が答える。30歳になったばかりの夫婦。

「妻の仕事の予定がある。それに上司に事前の報告がいる。妻の心構えも必要ですからね」
と続けるから、

「いや、妊娠出産は病気ではありませんよ。仕事といっても、臨月までは可能。産後休暇は3週間あればいいわけで、さらに今は役所や大企業は1年休んでもいいといわれる。妊娠するのにタイミング(予約)を取る必要はないと思いますが」

「いや、周囲に迷惑かけてはダメなんです。妻なりの仕事と夫婦生活のバランスがあって、いいタイミングで妊娠を選ばないと」
「それで妊娠できなかったら」
「それは別の話ですから」

 いまどきは夫婦のベッドインという自然願望も何だか理由付けが必要だと、今の世代は本気で考える。それでできた子供は、夫婦の予約の中で生まれた大事なものだから、高級レストランの食事のように十分に味わいながら育てないといけない。

「だって、子供育てるのは大変でしょ」
というから、犬猫と一緒でエサ与えれば育ちますよ。

 なぜならこの話の前提に、今の総人口から考えて、昭和21年、22年、23年生まれの団塊の世代は、1年で300万人近くが生まれ、今の3倍も人口が多い。何故あんな焼け野原の、食い物がない時代でも、大人はせっせと子供を作ったかといえば、戦争の帰還兵が奥さんとの再会で嬉しかったからに他ならない。子供には握り飯与えるだけで、立派に育った。

「それはあの時代を肯定しているからです。不用意に子供が多すぎた間違えた時代なのです。それが高齢者問題につながっています」
と言い切る。

 だから今の68歳前後は「間違えて生まれた世代」で、「産んでくれて有難う」ではなく「生まれて迷惑だった」というわけだ。当人たちは怒らないのか、こんなこと言われて。

 今の30歳の親はおよそこの年代前後にはなるのだが、親が自分世代の反省の上にこれを伝えているのであれば、それは本当なのかと疑う。

 妊娠出産とは常にいいことであり、できるならすぐにでもと思うのだが、親が教師が政府が、奇妙なことも若年層に吹き込んでいることが気になる。(sp)

 

週刊誌グループ
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男性週刊誌、女性週刊誌、写真週刊誌など大手出版社編集部の契約記者として、第一線で取材執筆活動をおこなっているライター集団。政治、事件、皇室、芸能、実用、人物インタビューなど守備範囲は多岐にわたる。早稲田編集企画室の中核。