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映画のネット配信全盛時代に、レンタルDVDを借りるのは守旧派なのか?

 9月1日世界最大のインターネット配信サービス「Netflix」が日本でのサービスをスタート。インターネット界隈を賑わせた。使用度合いに応じて課金額を選べるプラン制や、オリジナルのドラマなどが売りのようだが、コンテンツの量・質では先行する「hulu」の方に利があるとの下馬評も見受けられたようだ。

 かくいう筆者も「hulu」には結構お世話になっているのだが、注目の「Netflix」サービス開始翌日に筆者は何をしていたかというと…、新宿TSUTAYAで映画のDVDを借りていたのである。

 少年時代からの映画好きで、レンタルビデオ、レンタルDVD店にもずっとお世話になっていた筆者にとっても、huluのサービスは革命的だった。なにせ、「映画が見たいな〜」という気分になれば、その瞬間に大量のコンテンツの中から好きなものを選べる。レンタル屋まで足を運ぶ必要もなければ、返却期限を気にすることもない。借りたものの忙しくなって期限前に見切れないとか、逆に見るものがなくなってしまう、ということもないのである。

 だが、昨日レンタルDVD(実際にはブルーレイも借りたが煩雑なので、以下ブルーレイも含めDVDに統一)を借りて改めて感じたのだが、やはりレンタルDVDでなければ味わえない醍醐味というものがある。それは棚を見て回り、パッケージを手に取るワクワク感だったり、ソファに寝っころがって、テレビで鑑賞するリラックス感だったりする。(ヘッドフォンをつけてパソコンで鑑賞するhuluスタイルでは、画面と目が近すぎるのだ。もっともこれは、テレビをネットにつなげば解消する問題かもしれないが……)

 huluの最大の長所は手軽に見れることだが、その長所は同時に短所なのかもしれないのである。なんといっても映画の鑑賞スタイルとして一番気合いが入っているのは映画館に行くことだろう。時間の余裕がしっかりあるときしか映画館には行けないし、鑑賞中は携帯や仕事に邪魔されることもない。レンタルビデオ店が出現したときには、従来の映画ファンは「そんなにお手軽に映画を鑑賞するなんて邪道だ!」と嘆いたことだろう。

 だが、いまやhuluと比べるとレンタルDVD店も大分気合いが入った鑑賞方法と言ってもいい状況になってきた。なにしろ、わざわざレンタル屋に行って、借りてきたDVDという「モノ」をデッキに差し込むのだから。(しかも一週間の期限付き)

 それに対してhuluはいつ見てもいい。その手軽さゆえに、ちょっと見始めたものの、30分くらいでダルくなってきて、「いつでも続き見れるからまあいいや〜」と鑑賞を途中でやめてしまったりする。ああ、こんなに映画を粗末に扱うなんて〜。

 聞くところによると、アメリカなどではもうレンタルDVD店という業態が激減していて、アメリカ人が日本に来てDVDレンタル店がまだあるのを見ると、珍しがったり羨ましがったりするのだという。何もかもデジタルデータでやりとりする時代に、DVDというメディアはもうアナログなのか。いまだにレンタルDVDに良さがある、なんて言っている筆者はかなりの守旧派なのかもしれない。

 そういえば新宿TSUTAYAに昨日行ったとき、ビル建て替えにともない隣の棟に引っ越すとのお知らせがあった。最近は新宿TSUTAYAの店内もずいぶん棚が密集した感じになったな〜と思っていたが、転居に伴いもうちょっと広々するのだろうか。

 TSUTAYAやゲオだけでなく、いろんな個人経営のレンタルビデオ屋が百花繚乱していた時代も懐かしいが、過去を懐かしがってばかりもいられない。新宿TSUTAYAが閉店でなく移転となり、街中にはまだ一応レンタル屋が存在することも有り難く思わなければいけないご時世かもしれないのである。

 なお、最近筆者がレンタルDVDをなかなか利用できない大きな理由としては、リビングに妻が居座り、映画を見たりすると「うるさい!」と言われて好きにテレビも使えない現状があるのだが、その問題について語りだすと、テーマが家庭問題にまで広がるので、それはまたの機会にしよう。

俵はるぞう
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あちこちの媒体に執筆する謎のフリーライター。このペンネームは本ブログのための仮の姿だという噂も。