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vol.25「高速道路の開通は、周辺町村を過疎にするという逆説」

 年内にまた首都圏の高速が部分開通する。圏央道の「桶川北本~白岡菖蒲」である。都内在住者としては、相当便利になる。都心から新潟方面に行くときに、生真面目にも「首都高~外環~練馬~関越道」なんて走るよりも、「首都高~東北道~白岡~桶川~関越道」のほうが、多分料金も安いし、空いているし、走行距離も似たようなものになる。道路網の整備は歓迎だ。

 ところが、これはほんの一面で思わぬ落とし穴がある。

 高速に乗ったはいいが「腹が減っていた」ときはどうするのか。高速のSA(サービルエリア)の「まずい飯」には相当飽き飽きしている。高速に乗ったが最後、目的地まで降りられない道路行政では、ブロイラーのようにSAとかPAの自販機飯(たこ焼き、おにぎり、フライドポテト)を食わなくてはならない。高速は不用意に降りると、割高になるのだ。いちいち割増料金を支払う羽目になる。

 高速の料金制度が4段階あるのはあまり知られていない。「初乗り料金」という割高があり、「100キロまで料金」が次で、「200キロまでの中間料金」。そして「201キロ以上の遠距離割引」。初乗りに比べて遠距離は3割引きほどになる(深夜割引などは別設定)。まあ昔ながらの八百屋魚屋と一緒で、最初の一匹は高いよ、まとめて買ってくれたら安いよという感覚なのだ。

 ドライバーはある程度知っている。だから一度乗ったら途中下車したくない。ずっと乗り続けたいという庶民感覚が無意識に働く。

 その走りっぱなし制度が、ダメだと言っているのだ。例えばJRの遠距離切符は実は乗り降り自由で、東京~大阪間の乗車券などは4日間有効。何回でも乗り降り途中下車できるのだ(それを活用している旅行者は少数派であるが)。

 そういうことを、せめて高速道路は見習えと思う。

 そもそも道路行政などは地方活性化の一環。高速が新設されたら、IC(インターチェンジ)ごとに下車して、知らない地方都市に行ってみたいもの。いや昼飯夕飯食うだけでも下車したい。それが地方活性化というものだ。ところが高速道路の飯が全国画一で、不味いのは誰もが知っているのに、知っていてなお食わされる。今の高速道路行政は、途中下車を認めない。逆でしょう、途中下車こそ割引料金じゃないの。

 ならば聞こう。鹿児島から青森までの長距離トラック運転手は、一体どういう食生活をしているのだろうか。たま~に、新設SAを探して牛丼の吉野家とか、B級グルメ店、もしくは「コンビニ」と表示されているセブンか、ファミマか、ローソンに立ち寄る工夫が必要か。夜間はどうする、車中泊という狭いベッドで仮眠の連続か。そんなネズミ探しのような運転が、理想的な高速ドライブだというなら、大いに笑わせる。

 どうせ世界一のぼったくり高速料金を徴収しているのだ。東京から青森に向けて、何日走って、どこで途中下車しても同一格安料金にしなくてはいけない。ETCがこれだけ普及すれば、「同一方向、割引適用」のプログラム程度なら、私でも作れる。

 そういうことに見向きもしない行政とは、なんだか将来性がどこにも見えない気がするのだ。(sp)

週刊誌グループ
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男性週刊誌、女性週刊誌、写真週刊誌など大手出版社編集部の契約記者として、第一線で取材執筆活動をおこなっているライター集団。政治、事件、皇室、芸能、実用、人物インタビューなど守備範囲は多岐にわたる。早稲田編集企画室の中核。