「ハゲは医者に頼らず我流で治せ」毛活の記録④
呑むだけでフサフサ!? “毛生え”酒に酔う
10月中旬ころからフィンペシアとノキシジル・フォルテの服用をやめて2カ月以上が過ぎた。現在、使っているのはBAKUシャンプープレミアムだけだ。
きっかけは、10月末に控えていた自治体の無料健康診断。問診票の《現在、服用している薬》との項目に薬名を書くのが恥ずかしかったから。せっかくの検診なので、ウソ回答することもためらった。
検診の結果、健康状態は良好。服用を再開するつもりだったが面倒くさくなった。秋以降、毛活デビュー当初のようなはっきりとした効果を実感できずにいたので毛活熱も冷めてもいたので、服用をやめていた。その結果、毛髪の1本1本が細くなり、薄くなっているではないか。
それでも服用を再開していない。まあ、いいや、と諦めの気持ちもあった。そんな私を再び奮起させる出来事があった。12月のある日、立ち寄ったバーでのこと。発毛効果が期待できそうな酒と出会ったのだ。
その酒とはバーテンダーが勧めた北海道産のシードル。小瓶(330ml)のラベルを見てみると、発毛効能をストレートにうたう二文字があるではないか!
名前は《増毛シードル》。
お気づきの方もいるだろう。《増毛》は《ぞうもう》ではなく《ましけ》と読むことを。北海道の増毛(ましけ)町にある『増毛(ましけ)フルーツワイナリー』が造ったシードルであって《増毛(ぞうもう)》とは無関係だ。無知な私はそんな地名があることを知らなかった。藁をもすがる思いでオーダーした私にマスターはその事実を突きつけたのだった。
まあいいか。飲んでみよう。小瓶の栓を抜いてもらいグラスに注がれたシードルはフルーティーだが甘すぎず、微発泡の泡が高級シャンパンのよう。フィンペシアとノキシジル・フォルテを飲むときのわびしさや孤独感はない。なんと優雅なひとときではないか! これが本当に発毛効果のあるお酒だったらどんなによいことか。
「マスター、もう一杯!」
グラスをクイッと傾けた。そして、シードルの小瓶を飲み干してバーを後にした。
翌朝、鏡で頭髪チェックをしたが当然、変化はなかった。
もう一度、毛活をがんばってみようと思ったのはその夜だけ。相変わらず毛活に力が入らない。新年はどうしようか。続く。