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“誤解、誤訳、誤報” 御免!「中国ニュース珍カシャ通信」:“7人”のラブドール&リアルな息子1人と一緒に暮らす男

 中国南部・貴州省の田舎町に住む58歳の男性、離塵(リ・ジン=仮名)さんは、一人息子と共に、“7人”のラブドールと一緒に暮らしている。しかも離さんはこのラブドールたちを、本来の用途であるダッチワイフとして使っているのではなく、本当の家族として扱っているのだという。

 2月3日、中国のビデオサイト「梨視頻」で離さんの暮らしを紹介するビデオがアップされると、イギリスのタブロイド紙を中心に世界各地のニュース媒体がこれに注目。次々にこのニュースを取り上げていった。

ビデオのインタビューに答える離塵さん。離塵最初に購入したラブドールは小雪(雪ちゃん)と名づけたという。「梨視頻」のビデオより(以下同)


 離さんは今から13年前の2004年に奥さんと離婚。当時5歳だった息子の洋洋(ヤンヤン=仮名)さんと父子二人で暮らすことになった。そして2010年に離さんがその当時付き合っていた彼女と一緒に北京に旅行に行った際、そこで出会ったのが日本製のラブドールだった。離さんはその美しさに魅了されたものの、1体7万元(現在のレートで約115万円)もしたことから手を出すことができなかった。ちなみに、離さんの彼女のほうも、着せ替え人形のようにできるラブドールが気に入っていたという。

 その後、2014年に離さんがその彼女と別れると、一人息子も一日中学校に行っていたため、その寂しさを埋めるためについに長年の念願だったラブドールを手に入れた。しかも離さんは、そのラブドールを“本来の用途”で使うことは一度もなく、新しい衣装を買って着せ替えたり、車の助手席に乗せてドライブしたりと、本当の娘のようにして暮らしていた。

ラブドールたちには専用のベッドがあり、“肌”の手入れなどの世話も欠かさない


ときには家族“8人”そろって外でパーティも


 以来、他のラブドールも徐々に買い集めていき、ついに昨年末には息子の洋洋の18歳の誕生日に、プレゼントとして1体買い与えていた。離さんはビデオの中で「息子にはそれを本来の用途で使ってほしい。外で女を探すよりずっと安全だから」と語っている。しかし洋洋さんのほうも父親の趣味を受け継いだようで、そのラブドールをダッチワイフ扱いするつもりはないようで、本当の妹のように世話をしている。

息子の洋洋さんもラブドールと一緒の生活に満足そう。プレゼントにもらった“妹”に小桜(桜ちゃん)と名づけた


 離さん親子は現在、ラブドール用の衣装を販売するビジネスを始めようと考えているところだという。かなりニッチなビジネスといえるが、中国では最近、離さんのようにラブドールを家族の一員として購入する人が増えているそうで、そういった人たちは価格の高いラブドールを買えるほど金銭的に余裕のあることから、もしかしたら金に糸目をつけずに離さんが販売する衣装を購入してくれるかもしれない。
(文=佐久間賢三)

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週刊誌や月刊誌の仕事をした後、中国で日本語フリーペーパーの編集者に。上海、広州、深圳、成都を転々とし、9年5か月にもおよぶ中国生活を経て帰国。早稲田企画に出戻る。以来、貧乏ヒマなしの自転車操業的ライター生活を送っている。