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vol.4「エボラ・パニックは日本に上陸するのか」

「エボラは人類を滅亡に追い込んでいる」と語る専門家もいるように、エボラウィルス病は拡大する一方。先週末、リベリアから羽田空港に帰国した男性が都内で検査を受け、同じように関西空港着の旅客機ではギニア人女性も感染を疑われたが、ともに陰性で事なきを得た。

 エボラは空気感染こそしないようだが、強い感染力を持つ。発症した患者の体液に含まれるウィルスが、小さな傷口や粘膜を通じて体内に侵入するもので、患者の汗はもちろん、使用した便座や握手からでも感染するといわれる。致死率は50%以上ながら、今のところ有効なワクチンは見当たらない。

「国内に感染者を入れないという水際作戦も、これだけ渡航が自由化されていると、無理があります。いずれ感染者が国内に現れるでしょう」というのが医療関係者のホンネのようだ。すると、どうなるのか。

「今の医療体制には無理があります。感染の疑いのある人は、最寄りのクリニックに行ってはダメで、新宿の国立感染症センターに行ってくださいという、命令的な対策ですね。現実に39度も熱がある人は歩くのもふらふら。ならば救急車を呼べば何処にでも来るのかといえば、特殊な装置を装備した車に限るという現状。それこそ近所の診療所に行こうものなら、医者側から『疑いのある人がこんな普通のクリニックに来てもらっては困る』と露骨に嫌な顔をする始末ですから」(総合病院医師)

 確かに先のリベリア人の場合は最初に診察したクリニック医師は、「こんな町の診療所に、そういう人が来るとは驚きました」と困惑していた。

 今後、感染拡大した場合の大まかな想定を聞いた。

「感染者が国内に発生したとすれば、その人の住む町、最初にかかった病院、乗った電車、タクシー、近所の商店その他、風評被害も含めて多少のパニックになるかもしれません。狂牛病のときは、九州宮崎などでは、白い防護服に防護マスクの対策班が物々しく検疫、検査したことがありましたが、あのような状況も想定できます。パニック回避のためには、冷静になることが大切です」(ある医療関係者)

 エボラは過去20年ほどの間に、4~5回の流行を見せてきた。元来のウィルスはコウモリが持っているといわれるが、流行と終息の原因などはまだ特定されていない。画期的な対処法が待たれる。(sp)

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